日本を代表する和スイーツ「白玉団子」。
古くは室町時代にはじまり、江戸時代より庶民にも親しまれてきたこの「白玉」はもち米を原料とした白玉粉から作られています。
白玉粉は、そのきめ細かい粒子とほんのり甘い香りと味が特徴ですが、他にも「米粉」「上新粉」「だんご粉」という似ている粉があります。
見た目も原料も似ているこれらの粉と「白玉粉」は何が違うのでしょうか?
他の粉と違って白玉粉が特別な理由は何なのでしょうか?
見た目だけでは他の粉と区別するのが難しいこの4種類の粉の、それぞれの特徴から違いをみてゆきましょう。
「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」はすべて「米粉」

実は「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」はすべて「米粉」の中に含まれます。
「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」のそれぞれの違いはまず「原料」にあります。
白玉粉の原料と製造方法
白玉粉の原料は「もち米」です。
もち米を精白し、水洗いした後、石臼で水挽きした際に得られる沈殿した細かいもち米の粉を乾燥させて作られます。
上新粉の原料と製造方法
上新粉の原料は「うるち米(普通のお米)」です。
うるち米を精白し、水洗いしてから乾燥させて製粉して作られます。
●関連記事:「上新粉、白玉粉、もち粉の違いは、原料と作り方の違いです」
だんご粉の原料と製造方法
だんご粉の原料は「うるち米ともち米」です。
団子が作りやすいように2種類の米をブレンドして精白し、水洗いしてから乾燥させて製粉して作られます。
このように、白玉粉・上新粉・だんご粉は、同じ米粉として分類されますが、原料や製法が異なっているのです。
「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」の主な使われ方

「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」は、それぞれ原料も製法も違いますから、当然、使い方も違ってきます。
白玉粉の主な使われ方

白玉だんごや大福など、柔らかいなめらかな食感を活かした和菓子などに使われます。
冷やしても固くなりにくいので冷たい和スイーツにも最適です。
●関連記事:「上新粉、白玉粉、もち粉の違いは、原料と作り方の違いです」
上新粉の主な使われ方

柏餅や、ういろう、すあま、ちまきなど歯ごたえのある弾力の強い和菓子などに使われます。
また、硬めの生地につくりやすく、串に刺す串団子などにも向いています。
●関連記事:「上新粉、白玉粉、もち粉の違いは、原料と作り方の違いです」
だんご粉の主な使われ方

その名の通り「だんご」を作るのに使われます。串に刺す団子や大きめの団子などの和菓子に適しています。
メーカーごとに独自にブレンドされたインスタントに団子が作れる粉です。
「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」は見た目にはほとんど同じで見分けは付きませんが、原料から製造方法、使い方まですべて違う別物なんですね。
ですが現実的にお家のキッチンで沢山の種類の粉類を管理するのは、スペース的にも手間的にも大変です。
他の粉を代用として使うことはできないのでしょうか?
白玉粉を切らしている時に他の米粉で代用することはできる?

白玉粉や上新粉、だんご粉を切らしているときに、それぞれ別の粉で代用して使うことは出来ます。
白玉粉も上新粉もだんご粉も、どれも米やもち米からつくられた米粉の仲間なので代用することは出来ますが、白玉粉もその他の粉も、目的や用途があってわざわざ別に作られているものです。
ですので、出来上がりが想像と違う「似たようなもの」になってしまうことも多々あります。
特に、白玉団子はそのなめらかな舌触りや、やわらかい触感が命ですから、他の粉で代用しても「ゆるめの団子」にしかなりません。

他の和菓子をつくるなら水分量の調整などである程度整えることはできますが、おいしい白玉団子をつくるなら、やはり白玉粉で作るしかありません。
白玉粉では他の粉の代用はできますから「白玉粉」「上新粉」「だんご粉」のうち1つを常備するのであれば他の粉の上位互換である「白玉粉」を選ぶのが賢い選択でしょう。
白玉粉は他の米粉に比べて値段が高い?
他の米粉の代用としても使えて、様々な和菓子やお料理にも使える便利な白玉粉ですが、他の米粉と比べてお値段が高いイメージがありませんか? 実際にいくつかの大手インターネットショッピングモールでの販売価格を100gあたりでみてみると、たしかに白玉粉は少し値段が張るように見えます。
・白玉粉 160円/100g
・上新粉 128円/100g
・だんご粉 101円/100g
実はこの値段の差は「原材料」の値段の差が大きいのです。
もち米は、うるち米(普通のお米)に比べて値段が高く、平成30年度の小売価格平均では「うるち米(玄米)」が 26.2円/100g なのに対し、白玉粉で使われる「もち米」では 54.7円/100g と2倍以上の価格差があるのです。
・白玉粉 もち米 54.7円/100g
・上新粉 うるち米 26.2円/100g
・だんご粉 もち米とうるち米 ミックス
このように、もち米を100%使っている白玉粉では原材料に高級な材料を使っているため、価格もすこし高めの価格になっているのです。
それ以外にも、製造にかかる工程が多く、時間や手間をかけて丁寧に作っていることも価格に影響しています。
「白玉屋新三郎」の伝統製法にこだわり抜いた白玉粉の作り方

素材と水。
白玉粉を生み出すための2つの要素にこだわり抜いています。
白玉粉の素材へのこだわり
●素材・もち米へのこだわり●

白玉粉の品質には色々なものが出回っておりますが、白玉屋新三郎では最良質の白玉粉造りを目指し、一貫して『国内九州産水稲もち米100%』を使用しています。
最良質のもち米を探し求め九州各地を歩き、原料の安定確保を図り品質の向上に専念しております。
●おいしい水へのこだわり●

元来、熊本は地下水が豊富なこと、おいしいことで有名な処です。
その水を活かす種山石工による用水路の構築が行われ、豊かな水が豊富に今も流れ続けているのがこの地です。
白玉粉造りには、もち米の水洗い、一夜十二時間の水漬け、水を加えながらの石臼碾き(水碾き)と『おいしい水』が不可欠です。
白玉粉製造には水との出会いが大切だと肝に銘じております。
白玉粉の製粉方法へのこだわり

●石臼碾きへのこだわり●

食べ物の材料は生きています。
粉体にするのにグラインダーのような機械を使えば、作業も一段と速いのですが、その折発生する摩擦熱でもち米の澱粉質が変質し、本来のおいしさを失います。
今の時代にも『石臼碾き』でゆっくりと少しずつ製粉し続けております。
●白玉粉のお届け方法へのこだわり●
原料(もち米)を籾の状態で保管し、毎月その月の分を精米して製造いたしますので、お客様へは、いつも出来たての白玉粉をお届けしております。
当店商品の賞味期限は製造日から2年を打刻しております。
実際はその2~3倍の期間保存できるだけの品質を有しております。
白玉粉のまとめ
日本の米粉を代表する「白玉粉」が、他の上新粉やだんご粉などの米粉類と違い、特別な食品である理由がおわかりいただけたと思います。
素材であるもち米、そして伝統の製法から生み出された白玉粉。
そこから作られた白玉は、他の米粉では作ることが出来ません。
厳選したもち米の素材を、こだわり抜いた伝統の製法で丁寧に仕上げた「白玉屋新三郎」の極上の白玉粉をぜひ一度ご賞味ください。
白玉粉はグルテンフリーレシピにも使える
小麦が含まれていない白玉粉はグルテンフリーレシピにも使えるのでグルテンアレルギーの方にもおすすめです。
和風クレープの生地と混ぜると卵無しでもふっくらと美味しい生地が出来る他、小麦粉と混ぜて米粉パン、パン、お菓子だけでなく、麺類も作れます。
栄養が偏りがちなグルテンフリーメニューにも幅広く対応しやすい米粉の食品なので是非献立に取り入れてみてくださいね。