上新粉、白玉粉、もち粉の違いは、原料と作り方の違いです

19.12.03

上新粉、白玉粉、もち粉の違いは、原料と作り方の違いです

見た目には違いが分かりづらいキッチンの白い粉類。
白玉粉に小麦粉、薄力粉や片栗粉、上新粉、もち粉、だんご粉・・・

タッパーや入れ物に何が入っているのか書いていないとわからなくなってしまいますよね。
お塩とお砂糖も見た目は似ていますが、一口なめてみると違いはわかります。
ですが、ほとんど見た目が変わらない「白い粉」は、なめてみても違いがわかりませんし、匂いで判別できるほど強い香りもありません。

同じ米粉類の上新粉、白玉粉、もち粉でもやはり見た目に違いはありません。
ところが、この上新粉、白玉粉、もち粉はもちろんすべて別の物。
では何が違うのでしょうか?

上新粉、白玉粉、もち粉はすべて「米粉」です

上新粉、白玉粉、もち粉はすべて「米粉」です

和菓子つくりのレシピを見ているとよく目にする上新粉や白玉粉ですが、この2つの粉の違いをご存知でしょうか?
いずれも米を加熱せずにそのまま粉にした米粉なのですが、実はこの2種類の粉の原料や製法は異なります。

まず上新粉というのは、精白したうるち米を洗って乾燥させた後に細かい粉にしたものです。
一方の白玉粉は、洗ったもち米を水に浸し、その後水を加えながら石うす等でひき、沈殿したものを乾燥させてつくります。
そして、もち米を原料にして上新粉の製法で粉にすると「もち粉」になります。もち粉は白玉粉の代用としても使えますが、きめ細かいので求肥(ぎゅうひ)等によく使われます。

同じ米粉の中の似たような3つの粉ですが、それぞれの特性に合わせて使い分けるといいでしょう。

上新粉、白玉粉、もち粉のそれぞれに特性は原料の米と製法から生まれます

上新粉、白玉粉、もち粉のそれぞれに特性は原料の米と製法から生まれます

上新粉の特性と使い方

私達が普段食べているお米「うるち米」を原料とした上新粉は、価格も手頃で最もポピュラーな米粉と言えるでしょう。
上新粉は粘りが少なくて歯切れよく、コシと歯ごたえがあるのが特徴です。

白玉粉の特性と使い方

白玉粉は主にもち米の中のでんぷん質を取り出したものなので、まろやかな食感が特徴的です。
粒子が細かいので消化がよく、冷やしても固くならないので、団子などによく使われます。
原料にもち米を使い製造工程も多いので、上新粉やもち粉よりも高級粉になります。

もち粉の特性と使い方

白玉粉よりもキメが細かく、水に溶くとよりなめらかで粘性の高い生地になります。
お米の風味が強く、大福の皮などに使われます。

上新粉、白玉粉、もち粉で作られるお菓子

上新粉、白玉粉、もち粉で作られるお菓子

上新粉の使い方

上新粉の基本の使い方は、お湯を加えながら練った後に、一度蒸してからつき、その後形を整えて使います。
お湯で練ることで粘りを出し、よくつくことで弾力をもった仕上がりになり、モチのような風味と歯ごたえを活かして、幅広いお菓子作りに使われています。

上新粉を使った和菓子では、月見だんご、串だんご、柏餅、草餅、ういろう、かるかん等がよく知られています。

他にも端午の節句に食べる粽(ちまき)や、片栗粉の代用品として料理のとろみづけにも使われます。

白玉粉の使い方

なめらかで、冷やしても固くならないのが特徴の白玉粉。
白玉粉は水を加えながら混ぜた後に形を作り、お湯でゆでて使うのが一般的です。

代表的なレシピと言えば、やはり独特のつるりとした食感の白玉団子でしょう。団子以外にも桜餅や大福餅、洋菓子ではクッキーやケーキ作りにもよく使われます。

伸びがあって滑らかな食感をもつ白玉粉はお菓子だけでなく、ご飯物や汁物からおかずまで様々な料理で活躍する非常に使い勝手の良い米粉です。

もち粉の使い方

もち粉も白玉粉と同様で、水を加えて混ぜて成形し、お湯でゆでて使用します。白玉粉よりもキメが細かいので混ぜる時にダマになりにくいのが特徴です。
モチモチした生地になるので、求肥(ぎゅうひ)や大福作りによく使われます。

他にも仕上がりをなめらかにするために、ケーキやどら焼き、ドーナツ等の生地に混ぜ合わせたりという活用方法もあります。

だんご粉

柔らかすぎる団子が苦手な方は、白玉粉の代わりにだんご粉を使うといいでしょう。
だんご粉はもち米とうるち米を混合したブレンド米粉です。白玉粉やもち粉と同じ調理法で使えますが、だんご粉を使用するとコシが強めの団子が作れます。

上新粉、白玉粉、もち粉の使い分け

上新粉、白玉粉、もち粉の使い分け

この3つの粉を使ってモチを作ると、白玉粉、もち粉、上新粉の順で仕上がりが柔らかくなります。
ですから上新粉を使うレシピでも、より滑らかな舌ざわりに仕上げたい時にはもち粉、小さなお子さんや年配の方用の料理には柔らかく消化の良い白玉粉というように使い分けるというのがいいでしょう。

また、弾力のある上新粉だけを使って団子を作ると、喉につまりやすかったり噛み切れなかったりと、お子さんや年配の方にとっては少し食べにくいこともあるかもしれません。

そんな時には上新粉に白玉粉を混ぜて使用するのがお勧めです。 まるで上新粉で作ったようなコシや歯切れの良さはそのままに、柔らかく消化も良い白玉粉で作った団子なら、小さなお子さんや年配の方でも安心していただけます。

他の米粉の代わりにも使える!白玉屋新三郎の極上白玉粉

極上白玉粉画像

白玉屋新三郎の極上白玉粉は他にも多数とろそろえております。

料理をしている時に「まだあると思っていた食材が切れていた!」ということは誰しも覚えがありますよね。
大抵の場合は、他の材料で代用することが可能ですが、米粉は原料や製法により出来上がりの食感が変わってきてしまいます。
ですので、同じ米粉の中では、一番広く使える「白玉粉」を他の米粉の代用品としてお使いになることをおすすめします。